troncのおすすめ図書
第2弾です。
何か読んでみようかなー
という気分のときに
参考にしていただけたら嬉しいです。
今日ご紹介する3冊は
食べ物繋がりで選んでみました。
どれも、(個人的に)印象的な食べ物が登場するお話です。
おすすめ其の1
「チリとチリリ ちかのおはなし」
どいかや
柔らかで可愛らしい色彩の絵本です。
チリとチリリという2人の女の子
(姉妹?双子?)が
チリチリリ、と自転車に乗って
色んなところにお出かけしていくというストーリー。
シリーズもので、どのお話にも可愛くてちょっぴりトリッキーな食べ物が登場します。
「ちかのおはなし」で登場するのは
”らっかせいのホットソフトクリーム”
地下で落花生畑を営むモグラさんたちがチリとチリリに振舞ってくれます。
コーンアイスのコーンの部分が落花生の皮になっていて、全体のサイズは落花生1粒分くらいなのでしょう。
可愛らしいし、
何より美味しそうなのです。
しかしホットソフトクリームってどういうことなんでしょうね。
大人の方も童心にかえって、わくわくしながら読んでみてください。
余談ですが
当店のちいさな常連さんに、この
”らっかせいのホットソフトクリーム”
を作って欲しい!とお願いされたことがあります。
パティシエおじさんもずいぶん頭を悩ませておりました。
(もちろん実現はしておりません)
おすすめ其の2
「流しのしたの骨」
江國香織
20代の頃、何度も読み返した
大好きな小説です。
主人公は19歳の女の子、琴子。
すこし(だいぶ?)変わった
琴子の家族とともに、琴子の20歳になるまでの月日が静かに描かれています。
あとがきに、
「よそのうちのなかをみるのはおもしろい。その独自性、その閉鎖性。」
という言葉が綴られていて、
なるほどーと思いました。
子供のころ、おともだちの家に行くと
そのおうちの独自の習慣や独自の空気感を垣間見ることが出来て
不思議な気分になったこと
ありますよね。
この主人公の家族は、確かに変わったところが多いのですが、「家族」という閉ざされた空間で作り上げられる世界って他人から見ればたいがい「変わっている」んだろうなぁと思います。
そんな変わった家族の、
普通の日々のお話です。
今から20年以上前に書かれたお話なので、時代背景も今とはずいぶん違いますが、なんとなくゆったりとした世界観は、この時代ならではなのかなーとも思います。
そして、登場する印象的な食べ物は、「しゅうまい」です。
家族みんなで食べるクリスマスのご馳走として、琴子とその兄弟(姉2人、弟1人)でしゅうまいを作ることになります。
きっかけは婦人雑誌に載っていた「かわりしゅうまい特集」で、美味しそう作ってみよう!となって、兄弟総出で大きなスーパーマーケットに買い物に行き、かごに溢れんばかりの材料(やそうでないもの)を買い込みます。
この時点でわくわく。
そして、クリスマス前夜に深夜までかかっていわゆる仕込み作業をし
クリスマス当日に片っ端から蒸しあげていくのです。
皮のかわりにきゃべつの葉をつかったものや、ごぼうがつきささったもの。
種々様々なしゅうまいが大量に出来上がっていくさまが楽しいです。
しゅうまい、作りたくなりますよ。
其の3
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
吉田篤弘
これはタイトルにあるように
「スープ」のお話です。
主人公のオーリィ(大里)君は、仕事を辞めてから大好きな映画ばかりみて暮らしていたのですが、近所の行きつけのサンドイッチ屋さんの店主に声をかけられて、そのサンドイッチ屋さんで働きはじめます。
新メニューとしてスープを販売することになり、オーリィ君にスープ作りが任されます。
自身で試行錯誤したり、あるひとに教えてもらったりしながら、とにかく、おいしい!スープを作る、というお話。
吉田篤弘さんの作品は、独特のテンポと語り口とが相まって、映画を見ている気分になります。
このお話も東京の下町が舞台なのですが、なんだかヨーロッパの街並みが思い浮かびます。
(行ったことないですが)
そんな風景のなかにあらわれる、劇中の「名前のないスープ」が、それはそれは美味しそうなのです。
これもね、
スープを作りたくなります。
じっくりことことと、時間をかけて。(わたしは作りました)
ぜひこのやわらかな世界観と、
美味しそうなスープとを、
体験していただきたいです。
文章を書いていて、お腹がすいてきました。
そして次のおやすみには、しゅうまいとスープを作ろうと心に決めました。
(らっかせいソフトは難儀ですね)
我が家では以前よりも自炊が日常的になりつつあるので、このように、本などをきっかけに何か作ってみるのも楽しくていいなぁと思います。
皆さまの読書タイムに
お役にたてれば幸いです。
お読みいただき
ありがとうございました。
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